妊婦歯科

当院は横浜市の指定する妊婦歯科健康診査機関です。横浜市に住民登録がある妊婦の方は無料で歯科検診が受けられます。検診の際は必ず「妊婦歯科検診受診券」「母子健康手帳」「産婦人科の診察券」をお持ちください。検診内容としては、現在歯の状況、歯周病の状況、歯科保健指導等を行います。（検診の予約時間は、緊急時に備え、かかりつけ産婦人科の診療時間内をお勧めします）

なぜ妊娠中に歯科検診が必要なのか？

なにも妊娠中にわざわざ歯科検診を受診しなくても・・・と思っていらっしゃる方も多いと思います。ですが妊娠中はお口の中の環境が大きく変化し、胎児に影響を与える可能性があるのです。

ご存知ですか？

実は、妊娠８週頃からお腹の中では、もう赤ちゃんの歯ができ始めています。丈夫な歯をつくるためにはカルシウムやリン、タンパク質、ビタミンA・C・D等の栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。　それから妊娠中は歯周病や虫歯が進むことがあります。重度の歯周病は、早産や低体重児出産を引き起こすリスクが高まるという報告があり、胎児の成長に大きな影響を及ぼすことがあります。

実際の妊婦歯科治療

検診を受けて頂き、虫歯や歯茎に何の問題もなければ、それで終了です。ただ実際は小さな虫歯が見つかったり、歯肉炎等の問題が認められる方が多いのが現状です。治療が必要と思われる状況であれば、まず今のお口の状況を説明します。そのうえで体調や生活状況、出産予定日等を踏まえ、出来る限りの治療を行うか、出産前は暫間的な治療にとどめ、出産後に本格的に治療を始めるか、しっかりと相談しましょう。

気になる、レントゲンと麻酔のこと

治療の際は、レントゲンや麻酔は安全と言われていますが、基本的には行わないか、最小限にとどめます。レントゲンに関しては歯科用X線写真による生殖腺（卵巣）への平均吸収線量はパノラマ撮影で１枚0.02～0.04mSv、デンタルフィルム撮影で１枚0.01～0.02mSvです。（当院はデジタルX線装置を設置しているため、従来の1/4～1/2になります）胎児に影響があるとされる100mSvを大きく下回っています。　麻酔に関しても、歯科で使用する2%塩酸リドカイン、3%塩酸プロピトカイン等は通常の使用量（1.0ml～1.8ml）であれば、ほぼ問題なく使用可能です。（塩酸リドカインは胎盤を通過しますが、無痛分娩時にも使用される薬剤ですから安全です）

とはいえ、やはり妊娠中にレントゲン撮影や麻酔等は心理的に少なからず抵抗を感じるものと思います。前述の通り、当院では基本的に行わないか、痛みが強く妊婦自身や胎児に影響を与える危険性がある場合にのみ行います。